【FSPヨルダンコース現地レポート】ヨルダンの農業

フルサ・サイーダプログラム(ヨルダンコース)参加生の生物資源学類2年・林浩平さんから、現地レポートが届きました。


6日間のアラビア語研修後の3日間で農業センター見学や死海遊泳等のフィールドワークを行いました。現地学生との交流は他の参加者がレポートしているのでここでは割愛して、生物資源生らしく農業分野についてのレポートをします。

ヨルダンへ来て最初に抱いた感想は非常に埃っぽいということです。首都アンマンから我々がいるイルビットまでは、山脈というより丘脈と表現した方がいいようなオリーブが粗く生える緩い山と山間の集落が延々と続きます。少なくとも夏場は僅かなオリーブ畑(もっとも日本人の感覚だとオリーブ果樹園)以外では全く農業を行っていません。地中海生気候特有の、夏は雨が全く降らず灼熱の太陽が一日中照りつける気候では仕方がないと思います。喉は割れる、肌は荒れるで我々も随分と苦しめられました。

我々は寮で朝、夕食は自炊をしているため現地のスーパーへたびたび買い物に行きます。そこで目にするのは新鮮なヨルダン産の野菜の数々です。輸入品も多いですがスイカをはじめとして多くの野菜が店頭に並んでいます。
では、これらのヨルダン産の野菜はどこで生産されているのでしょうか。一つ目の答えはヨルダン渓谷周辺の平野部です。ヨルダンとイスラエル支配地域の間には死海の中心として巨大な盆地が広がっており、北部にはレバノンに端を発するヨルダン川が流れています。ヨルダン川の東岸にはアンマンやイルビットがある高地のダムからの水を利用した野菜や穀物の農地が広がっています。ヨルダン渓谷は標高が低く(-300m前後)、盆地なので気温が40℃を超えるため農業には向いているとは思えませんが、冬に降水する地域でダムにより水を貯め、標高差を利用した水圧により大規模な灌漑を行っているようです。種類はトウモロコシの他野菜や果樹等全般的に栽培しています。
もう一つの答えは都市周辺の水再利用センターの周辺です。事務的なミスで詳しい説明がなかったのですが、おそらくは下水等の生活排水を利用することでセンターから半径1kmほどの農地を灌漑しています。こちらは小麦が多く、私は草が蒸す匂いを久々に嗅いで少し感動していました。

と、以上の様にヨルダンは雨が降らない夏でもなんとか水をやりくりして農業を行っている地域はあります。しかしシリアから10万人を超える難民が流入しており、難民分の水や食料を確保しなければいけないためヨルダン全体の水資源と農業は徐々に厳しい状況に立たされています。
また、水の需要が増しているためミネラルウォーターの価格が上昇し、それに伴いヨルダン全体の物価も上がっています。死海の入海料は2010年7JDから2014年12JDと2倍近く上昇しており、観光客にとっても厳しい状況です。まだ死海を訪れていない人はこれ以上値上がりしない内に訪れることをお勧めすると共に現地ではヨルダン産の野菜を買うことをお勧めします。

林浩平

死海にて

課外活動で訪れた死海にて

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