モーリタニアレポート

1日目(入国)

サハラ砂漠の西端、モーリタニア。日本からはパリ経由のほか、ドバイ等を経由した後にチュニス、もしくはカサブランカを経由して到達します。チュニスからは週4日、カサからは毎日飛んでいます。今回はチュニスで4日ほど調査があってからのモーリタニア行きです。

チュニスからはおよそ5時間のフライト。夕刻便です。チュニスからの他の夕刻便は少なく、モーリタニアの民族衣装を着た人がやたらと目立つような気がして、こんなにモーリタニア人がチュニジアにたくさんいたことに少々の驚きを感じます。チュニジアとモーリタニアの関係は浅くなく、モーリタニア航空はチュニスエアの子会社ですし、携帯電話のチュニジアテレコムも参入しています。開発技術協力もチュニジアから結構されています。

搭乗が一時間以上遅れましたが、席は空いていましたし、お酒の飲めないモーリタニア便でもチュニスエアーはビールが飲めます。時差ぼけで眠いところ、ビールを飲んで横になってしまえば5時間のフライトはあっという間でした。

空港では入国カードとパスポート提出しますが、入国カードに記入欄がないけれども宿泊先のホテルを聞かれます。少し時間はかかりましたが無事入国審査を通過。そしてまた荷物が出てくるまでずいぶん待たされました。

深夜着でしたが、いつものようにISET(高等技術院)Bouyaさんが出迎えてくれました。

ホテルに到着したらすぐ就寝。

2日目(ロッソへ移動)

8時に朝食。今回利用したHotel Mounaは朝食付きですが、出ているクロワッサンの底面にはカビのようなものが見えます。昨日、Bouyaさんから聞いたかぎり、今年はロッソ以外では雨が多いそうですから、そのせいでカビも生えたのかもしれません。

深夜着だったこともあってBouyaさんと朝10時に約束。レンタカーが来て、ロッソに向かいますが、その前に両替です。ヌアクショットでは日本円は両替できません。ユーロ、もしくはドルで。こちらは金、土が休みのため、今日は銀行はやっていません。モーリタニアでは初めて両替商にいきましたが、大きな看板も出ていて闇ではないようです。きちんとレシートも出してくれました。利用者がいるのかがわかりません。

そのあと、魚市場に向かいます。3日間の滞在分の食料調達です。この魚市場は日本の支援で作られています。入構にお金がかかるようで、Bouyaさんが「市場を建てた日本人が一緒なんだぞ」といって入構料を負けてもらおうとしていますがそれは無理です。

ここの市場は結構立派ですが、船着場が「砂浜」です。結構な大きさの船を人力で押したり引いたりします。結構波も激しく、命がけです。

ヌアクショットを出て3時間でロッソに到着です。共同研究をしようとしているISETは遅れている同国南部の農業開発のための研究機関として2009年に開学しました。今回は同校との交流協定締結も目的の一つです。

34日目(現地観測&交流協定調印)

この2日間は現地に出ます。現地に出るにあたって、まずは州知事に挨拶をしておきます。最近、州知事が交代となりました。州知事は選挙で選ばれるのでなく、中央政府からの指名制です。その後、現地へ。

モーリタニアは7-9月が雨期で、セネガル川の水位も上昇します。ただし、水位上昇はもっと降水量の多い上流のマリの出水が到達してからとなるので、結構なタイムラグがあります。10月の今回もまだ河川水位は上昇の途中にありました。この時期に現場に来るのは初めてですが、乾期に来たときには見られなかった場所で水が溜まっています。以前はこの氾濫後の水が引いた土地を使って農業をしていましたが、上流側にできたダムの影響で治水安全度が増した分、氾濫の規模と期間が縮小して氾濫原農業としては衰退しています。しかし、治水安全度が増したとはいえ、地域住民に実害がまだまだ出ています。将来的に農業生産と治水の問題を双方考えた研究提案をしたいと考えています。

今回の主たる目的であるセネガル川の底泥をサンプリングしてISETに帰還です

ISETでの最後の夜、筑波大学とISETの間で結ぶ学術交流協定書にISET学長のサインをもらい、交流協定締結となりました。

ロッソ滞在期間中、モーリタニア大統領がケガを負う事件がありました。海外での会議を終えた大統領が故郷へ戻ろうと陸路移動中に、検問を停止せずに通過したために検問のセキュリティが7発発砲したうちの1発が大統領に命中してしまったそうです。大統領はヌアクショットでの手術後、パリの病院に移動。命に別状はなく。クーデターだったのでは、テロだったのではと憶測が飛んだようですが、周辺状況から考えても報道されたことが事実のようです。我々の帰りの検問もいつもと同程度の緊張度でした。

5日目 (地図局訪問、大使館報告、出国)

ロッソからヌアクショットに移動し、現地の地理情報収集のために地図局に行きました。JICAの技協が以前入っており、設備はよく整っています。ただし、まだ市街地地図はヌアクショットだけです。これからの地方都市開発のために地方都市でも都市開発に先んじて測量のニーズが高いことを局長から聞きました。

午後には大使館を訪問し、今回の調査の概要を説明して帰国の途につきます。またチュニスを経由し、そのまま日本へ帰国。

入江 光輝 (筑波大学北アフリカ研究センター・生命環境系 准教授)

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